瑞興寺

<真宗大谷派 瑞興寺>(ずいこうじ)
住所:大阪市平野区平野市町3-4-17
編集:瑞興寺住職 清 史彦(法名 釋 秀顕)

2023年 年頭の挨拶

月愛三昧(がつあいざんまい)

月愛三昧 今年の年頭の言葉は、二千五百年前の昔、インドのお釈迦様が、アジャセ王の心身の苦悩を救わんがために、行われた瞑想(精神を集中して祈るコト)を指す言葉です。アジャセ王とは。『観無量寿経』に説かれる『王舎城の悲劇』すなわち、インドでその頃、最も栄えていたマガダ国の王子アジャセが、お釈迦様の従弟であるダイバダッタに唆されて、父王のビンバサーラを殺害し、母のイダイケをも殺そうとして、思い止まった事件の主人公です。

 アジャセは王位について後に自身の過去の悪業を深く悔いるようになり、罪の意識から心を病み、やがて身体じゅうに大きな出来ものを生じ、激しい痛みに苦しめられます。
署名  そんなアジャセ王の苦悩を知ったお釈迦様は、彼を救うために瞑想に入られます。すると不思議なことに、お釈迦様から放たれた清涼な光が、王がつつみ込むように照らすと、全身を覆っていた皮膚病はすっかり癒え身体の痛みも消え去ったのです。
 お釈迦様はアジャセ王に対し、罪を告げて責めるのではなく、ただ慈悲の心を注がれたからこそ、アジャセ王の苦悩を解くことができたのです。その慈悲の心を、太陽の照る昼間の炎熱から解放され、月の光のふりそそぐ静寂な夜に、青い蓮の花を美しく開花させ、夜道を歩く人の灯となり、やさしく人を包み込む、清涼な「月の光」に譬えられるのです。

 私もまた、月の光のように、柔らかな眼で他者(ひと)を観る事の出来る者になりたいと思います。
 昨年もまた、コロナ禍に終始した大変な年でした。しかし、世間に過剰に捉われず、ゆっくりとしっかりと生きて往きたいと願います。今年も、相変わりませず、よろしくお願い申し上げます。
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