正信偈講話

『顛倒』連載版〜2014年11月開始〜


 
『顛倒』連載 第二回
阿弥陀を今月は述べましょう。
昔のインドの言葉は、実はヨーロッパ系の言葉ですので、英語によく似ています。二つ単語を並べます。
ab‐normal(英語) 英語の単語の先頭のaは後ろをa‐mita (梵語) 打消します。梵語も同じで、a‐mita とは「ミタ」の打消しです。そして、「ミタ」は僕たちのよく使っている言葉、「ミーター」「メーター」なのです。 長さを表す「メーター」であり、ガスや水道の「メーター」です。 すなわち「ミタ」とは「量る」ということ、その打消しだから「量る事が出来ない」。 だから「永遠無限」という意味になります。さらに、永遠無限だから、「真実」「光」という意味に展開します。

帰 命 無 量 寿 如 来  の無量、
無=ア、量=ミーター、です。無量寿とは「永遠無限の命」という意味ですが、 さらに、それは、「量ってはならない命」とも味わえます。


天上天下唯我独尊 とは「あらゆる歴史社会において、私は唯一無二の尊い存在だ」という、お釈迦さまの誕生の意味です。 それはお釈迦さまだけが偉いという事ではなく、あらゆる命生きるものが全て、唯一無二の尊い存在だという事なのです。 しかし、本来、量れない、比べられない唯一無二の命に、点数を付け、できるできない、 役に立つか立たないか、と選別し、役立つ者には居場所が与えられ、役立たずは排除する、私たちの在り方が観えてきます。 それは、他者に対してだけでなく、遂には、自分自身をも排除するようになります。「そんなことでいいのか」という問いかけです。

―――以上『顛倒』15年1月号 No.373より ―――

          

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