
天親菩薩 造論説
帰命無碍 光如来
訳しますと、「天親菩薩は、『論』(浄土論)を造られて、無碍光如来に帰命しなさいと説かれました。」です。
言葉の意味に当たります。
その頃、佛教はいろんな部派に分かれており、天親も元々は、ある部派の高僧であったのですが、兄の無着に 諭されて、いわゆる「大乗佛教」に転向されました。
有名な著作が『浄土論』『唯識三十頌』で、「空」を説いた龍樹から始まった大乗佛教を深め広げ、「浄土」という思想を説き、「唯識」という、現代の深層心理学につながる考えを説くなど、大きな働きを残した方です。ですから、
龍樹と並んで「菩薩」と称されます。
寿経〈大経〉』、すなわち、「阿弥陀仏とはどういう方か、その摂取不捨の願いを受ける人間とはどういう者か」を説いたお経を論じた書物です。次に内容を観てみましょう。
世尊我一心
歸命盡十方無碍光如來 願生安樂国
訳しますと、「お釈迦(世尊)様よ。私は心を一つにして、 十方に至り尽くす、碍りの無い光の佛(阿彌陀如来)に帰命し、安樂国(浄土)に生まれんと願います」ですが、これを観ますと、正信偈の2行は、浄土論のこの2行そのままです。要点は一心と帰命です。
―――以上『顛倒』2018年10月号 No.418より ―――

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